2007年9月、中国政府は、チベット仏教の真髄「活仏転生」を中国共産党の許可制とする法律を施行しました。
元々宗教を否定しいる一党独裁の中国共産党は、チベットとチベット人の文化を抹殺するために、チベット仏教の活仏(生き仏)に対して許認可権を行使しようとしているのは明らかでしょう。
日中首脳会談で、その中国政府の胡錦濤国家主席からチベット問題の説明を受けた福田首相は、中国政府とダライ・ラマ法王の話し合い自体を評価し、チベット問題にも人権にも全く触れない共同声明が出されました。
櫻井氏は、中国共産党が辺境の異民族を如何に弾圧してきたかを、ウイグル族の例を挙げ、
中華人民共和国は1955年、新疆ウイグル自治区を作った。60年代には鉄道を開き、人民解放軍と漢民族がなだれ込んだ。中国当局の統計では、50年に30万人だった新疆の漢民族は、99年には約690万へと、23倍増した。東トルキスタンのウイグル亡命政権の統計ではウイグル族1500万に対し漢民族2000万である。いずれにしても漢民族が新疆を席巻しているのだ。
自らの国土で少数派に転落したウイグル族は、さらなる人口減少へと誘導されつつある。ウイグル族の15歳から22歳の結婚適齢期の女性に都市への移住・就労が強制され始めたからだ。2006年からの5年間で、40万人が天津、青島、上海などの大都市に移される予定で、信じ難い低賃金で働かされる。
一人っ子政策のために、中国の親たちは堕胎や産み分けで男児を選びがちだ。結果、20年には適齢期の男性4000万人が結婚できない事態に陥る。ウイグル女性は、安価な労働力と漢人男性の伴侶の供給源になるわけだ。
中国共産党政権は更にウイグル族の中華民族化に力を入れる。貧しいウイグル族の幼児(おさなご)たちを親元から離し、集団生活で学ばせる。言葉は中国語、学習内容は社会主義イデオロギーだ。中国共産党の指導に従順であれば優秀とされ、小学、中学、少数だが、高校、大学にも進学させてもらえる。こうして子供たちの心は漢人になっていく。
ダライ・ラマ法王が訴える「文化の虐殺」は、新疆においても粛々と進行中なのである。
中国共産党はウイグル族の土地で、過去46回も核実験を行った。その一方で、同地区の豊かな天然資源や希少金属を持ち去っていく。弾圧と搾取の構造はチベット族に対しても同じである。
と記しています。
福田首相は、胡主席の説明を受け入れ評価したようですが、本当に中国政府の姿勢は評価に値するのか、疑義を持たざるを得ません。
ただ、櫻井氏は次のようにも記しています。
この種の危機に際して、日本はなによりもまず、道義によって立つ国であることを明言しなければならないだろう。 中略 価値観を同じくする同盟国、米国との関係重視の姿勢を常に明らかにすることを忘れてはならない。日中関係を大切にしながらも、日米関係が現在の日本の戦略の基盤をなすことを肝に銘じてほしい。
確かに、日本人は「恥の文化」を大切にし、天に唾する行為を畏れてきました。
然しながら、米国は国益の為なら、天に唾することも厭いません。
近い将来中国は、日本への食糧の輸出元として、また日本の工業製品の輸出先として、最重要国になることは明らかです。
その時櫻井氏が、米国を中国に摩り替えただけの論調で終わらない事を祈ります。
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