昭和30年代に胎児に深刻な薬害をもたらし医療現場から追放(1962年に販売中止)された「サリドマイド」が、再び製造販売されることになったようです。
10月3日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会は、血液癌の一種「多発性骨髄腫」の治療薬として販売再開を認める決定を舛添要一厚生労働相に答申しました。手続きが順調に進めば、販売中止から46年振りに年内にも販売が再開される見通しです。
サリドマイドは、「イソミン」の商品名で大日本製薬(当時)から昭和33年に発売されて睡眠薬や胃腸薬として使われ、悪阻に悩む妊婦に使われたケースで、手足の短い子供が生まれる「サリドマイド禍」が発生し、国内の被害者は300人を超えました。
1990年代に入り、多発性骨髄腫への有効性が認められ、治療薬として米国など17ヶ国で承認されており、日本でも医師が個人輸入して使うケースが増加し、血液癌患者らが早期承認を求めていました。
薬害で販売停止された医薬品が再び承認されるのは異例で、厳格な安全管理の下、登録した患者だけが使えるようになるようです。
薬としての課題は、
・妊娠初期に服用すると死産や胎児の奇形の恐れがあるため、妊婦への使用は厳禁。
・これを徹底するため、処方するのは専門医療体制が整った医療機関に限定し、患者も登録制にする。
・使用前には有効性と危険性についての教育を受け、妊娠検査の結果なども報告しなければならない。
・安全管理策が守られているかどうかは、サリドマイド被害者も加わった第三者評価機関が監視する。
のようですが、
サリドマイド障害の被害者団体「いしずえ」事務局長の間宮清さんは、
・薬害で死産した胎児への補償や先天性異常の監視を国として行うことなどが課題として残されていると指摘。
・さらに「企業の責任ももっと明確にすべき」。
と言う、複雑な思いもあるようです。
関連記事:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081004-00000038-san-soci